ヤブランを植えてはいけない!?植える前に知っておきたい3つの理由と対策

ヤブランは、その美しい紫や白の花と、常緑の細長い剣状の葉が特徴的な多年草で、庭の彩りを豊かにしてくれる植物です。特にその耐寒性や耐暑性に優れているため、庭木やグランドカバーとして幅広く利用されています。さらに、和風・洋風どちらの庭にもマッチしやすく、その魅力から多くのガーデニング愛好家に親しまれています。

しかし、ヤブランを植える際には、知らないと後々困ることがいくつかあります。そのため、「ヤブランは植えてはいけない」という話も聞かれます。

この記事では、ヤブランを植える上で注意すべきポイントやその理由について詳しく解説し、特にペットや庭環境に配慮した対策をお伝えします。

 

ヤブランを植えてはいけない理由とは?

ヤブランは丈夫で育てやすい植物ですが、特に次の3つの理由から植える際に注意が必要です。

  1. 根が広がりすぎて管理が難しくなる
  2. ペットが誤って食べると健康に害を与える可能性がある
  3. 鳥が実を食べに来て、糞害が発生することがある

根が広がりすぎて管理が難しくなる

ヤブランは非常に生命力の強い植物で、特に地植えすると長期間にわたって成長を続けます。そのため、適切な管理を怠ると、根がどんどん広がり、庭全体に影響を与えることがあります。特に、根の成長が非常に旺盛なため、植えた場所の土質や日当たりに関わらず、根を張り巡らせます。

ヤブランの根が広がりすぎると、次第に株が大きくなり、他の植物の成長を妨げたり、地中で根詰まりを起こすことがあります。特に地植えの場合、気づかないうちに根が固く太く成長し、いざ株を引き抜こうとすると非常に困難になります。また、根詰まりを起こすと、ヤブラン自体が健康を損ない、葉の色がくすんだり、見栄えが悪くなってしまうこともあります。

そのため、定期的な株分けや根の管理が必要です。特に、3年から4年ごとに株分けを行うことで、ヤブランの成長をコントロールし、庭の景観を保つことができます。

ペットが誤って食べると危険

ヤブランは、犬や猫などのペットが誤って食べてしまうと健康に悪影響を与えることが知られています。ヤブランには「サポニン」と呼ばれる化学成分が含まれており、これをペットが摂取すると、消化不良や下痢、嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。

特に、ヤブランはかつてユリ科に分類されていた植物であり、現在はキジカクシ科に分類されていますが、ユリ科植物はペットにとって有毒なものが多いことで有名です。ヤブラン自体が猛毒ではありませんが、ペットがいる家庭では、ペットがヤブランを口にしないように植える場所を工夫するか、ペットが触れないようなエリアに設置することが大切です。

もし、ペットが誤ってヤブランを食べてしまった場合は、すぐに動物病院に相談し、適切な対応を取ることが必要です。特にペットが自由に出入りできる庭では、ヤブランを避け、ペットに安全な植物を選ぶことも検討した方がよいかもしれません。

鳥が実を食べに来て糞害が発生する

ヤブランは、夏の終わりから秋にかけて美しい紫色の花を咲かせ、その後に黒紫色の実をつけます。この実は見た目には美しいものの、可食部はほとんどなく、種が主体です。しかし、ヒレンジャクやキレンジャクといった鳥がこの実を好んで食べに来ることがあります。

鳥がヤブランの実を食べに来ると、鳥の排泄物が庭に落ちることがあり、それが原因で糞害に悩まされることがあります。特に、鳥が大量に集まると、庭やテラスが糞で汚れる可能性があるため、実ができる前に早めに花茎を切り取るなどの対策が必要です。

 

ヤブランを育てる際の注意点

ヤブランを健康的に育てるためには、適切な管理が重要です。

以下の3つのポイントを押さえて、ヤブランの成長をサポートしましょう。

株が大きくなる前に定期的に株分けを行う

ヤブランは、地植えにすると根が広がりやすいため、株が大きくなる前に定期的に株分けを行うことが重要です。特に、根が詰まると水分や栄養分の吸収が悪くなり、葉の色が変わったり、全体的に弱ってしまうことがあります。

理想的な株分けの時期は、春(3月~4月)や秋(9月~10月)です。この時期に株を分けることで、新しい場所でも健康に育ちやすくなります。また、鉢植えの場合は、比較的早い段階で根詰まりに気づくことができますが、地植えでは気づきにくいため、定期的に確認することが大切です。

ペットが近づかない場所に植える

ペットがいる家庭では、ヤブランを植える場所に注意が必要です。ヤブランはペットにとって有害ではないものの、誤って食べてしまうと健康に悪影響を与える可能性があります。そのため、ペットが触れない場所にヤブランを植えるか、柵を設置してペットが近づかないようにすることが推奨されます。

もしペットがヤブランを食べてしまった場合は、早めに動物病院に相談し、適切な処置を行うようにしましょう。

実ができる前に花茎を切り取る

ヤブランがこぼれ種で増えるのを防ぐためには、実ができる前に花茎を切り取ることが有効です。実ができてからだと、鳥がその実を食べて他の場所に種を運んでしまうことがあります。そのため、花が咲いたら早めに花茎を摘み取り、種が拡散されるのを防ぎましょう。

 

まとめ

ヤブランは美しく丈夫な植物ですが、管理を怠ると増えすぎたり、ペットや鳥による問題が発生することがあります。適切な場所に植え、定期的な株分けや管理を行うことで、ヤブランを健全に育てることができるでしょう。

ガーデニング初心者から上級者まで幅広く楽しめるヤブランを、ぜひご自分の庭に取り入れてみてくださいね。

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