白木蓮とこぶしを簡単に見分ける方法:開花時期・花の大きさ・葉の有無で判別

春が訪れると、白木蓮(ハクモクレン)の美しい白い花が咲き誇り、私たちの目を楽しませてくれます。その純白の花びらは清楚で、見ているだけで心が落ち着くような美しさがあります。もちろん、春と言えば桜の花も日本人の心をとらえて離さない存在ですが、白木蓮の持つ独特の気品と華やかさもまた格別です。白木蓮の花は、桜と同様に春の短い期間しか咲かないため、その希少性がさらにその美しさを引き立てています。

しかし、白木蓮に似た花に「こぶし」があります。この2つの花は見た目が非常によく似ているため、区別が難しいと感じる人が多いのも事実です。実際に、白木蓮を見て「こぶしだ」と思ったり、逆にこぶしを「白木蓮だ」と思ったりすることも少なくありません。

この記事は、白木蓮とこぶしの違いを簡単に見分けるための3つのポイントを紹介します。これらのポイントを覚えておけば、両者の違いをしっかりと理解し、それぞれの美しさを堪能することができるでしょう。

 

開花時期の違い

白木蓮とこぶしの開花時期に注目してみましょう。

白木蓮は主に3月中旬から4月上旬にかけて開花します。地域によって若干の差はありますが、この時期に美しい白い花を咲かせるのが白木蓮の特徴です。

一方で、こぶしの開花時期は少し遅めです。こぶしは3月中旬から4月中旬頃にかけて花を咲かせます。つまり、白木蓮が咲き始める頃にこぶしはまだ開花していないことが多く、こぶしが咲き始める頃には白木蓮の花が終わりかけている場合もあります。

「北国の春」という歌で「こぶし咲くあの丘 北国の ああ 北国の春~」と歌われるように、こぶしは北の地方でよく見られる花です。北国の春の風物詩ともいえるこぶしの開花が、白木蓮よりも少し遅れていることを覚えておくと、両者の見分けがつきやすくなります。こぶしの方が春の訪れを少しだけ遅く感じさせる花なのです。

 

花の大きさと形の違い

白木蓮とこぶしの花そのものの大きさや形について見ていきましょう。

白木蓮の花は非常に大きく、花の直径はおよそ810cmにもなります。そのため、咲いている姿がとても豪華で目を引きます。花びらは肉厚で、しっかりとした質感を持っており、幅も広いため、存在感があるのが特徴です。白木蓮の花は、どちらかというと花びらが閉じたような形で咲きます。そのため、上品で控えめな印象を与えます。

一方、こぶしの花は白木蓮よりも小ぶりで、直径は45cm程度です。花びらも白木蓮に比べて薄く、幅が狭いため、軽やかな印象を持っています。こぶしの花はしっかりと開き、花びらが大きく広がるため、白木蓮よりも開放的で明るい感じがします。このように、花の大きさや形、咲き方の違いを観察することで、白木蓮とこぶしを見分けることが可能です。白木蓮はその大きさと花びらの質感から優雅な雰囲気を醸し出し、こぶしはその小ぶりで軽やかな花が可憐な印象を与えるのです。

 

花の咲く向きと葉の有無

白木蓮とこぶしのもう一つの大きな違いは、花の咲く向きと葉の有無です。白木蓮の花は一般的に上向きに咲く傾向があります。これは、花がしっかりと閉じた状態で咲くため、自然と空に向かって咲く形になるからです。上向きに咲く白木蓮の花は、一途に空を仰いでいるようで、凛とした印象を与えます。

対して、こぶしの花は、様々な方向に向かって咲きます。上向きだけでなく、横向きや下向きに咲くこともあり、自由奔放な感じがします。花が開放的に咲くため、こぶしの木全体がにぎやかに見えるのが特徴です。白木蓮が一本の方向に集中して美しさを保つのに対し、こぶしは多様な方向性でその存在感を示します。

さらに、花の咲いている時期に葉の有無を確認するのも重要なポイントです。白木蓮の花は、花が咲いている時期に花の付け根に葉がありません。つまり、花と葉が同時に見られることは少ないのです。一方、こぶしは、花の下に一枚葉がついていることが特徴です。この葉がワンポイントのアクセントとなり、こぶしの花を引き立てています。葉があるかないかという点も、白木蓮とこぶしを見分ける際の大きな違いとなります。

 

白木蓮とこぶしを見分けるための3つのポイント

白木蓮とこぶしを見分けるためには、以下の3つのポイントに注目することが重要です。

  1. 開花時期:白木蓮は3月中旬から4月上旬にかけて、こぶしは3月中旬から4月中旬にかけて開花します。こぶしの方が少し遅れて咲くことを覚えておきましょう。
  2. 花の大きさと形:白木蓮の花は大きく、花びらが厚く幅広であるのに対し、こぶしの花は小ぶりで、花びらが薄く軽やかです。また、白木蓮は閉じたように咲き、こぶしは大きく開きます。
  3. 花の咲く向きと葉の有無:白木蓮の花は上向きに咲き、葉がないのが特徴です。一方、こぶしの花は様々な方向に咲き、花の下に葉がついています。

 

まとめ

白木蓮もこぶしも、いずれも春を代表する美しい花です。

同じモクレン科に属しており、見た目もよく似ているため、見分けるのが難しいと感じることもあります。しかし、今回紹介した3つのポイントを覚えておけば、それぞれの違いを理解しやすくなります。白木蓮の気品ある美しさと、こぶしの自由で可憐な美しさを感じながら、春の訪れを楽しむことができるでしょう。

また、白木蓮とこぶしの違いを知ることで、春の散歩や庭の観察がより楽しくなります。それぞれの花の特徴を見極め、春の季節をより深く感じることができるのではないでしょうか。自然の中で、白木蓮とこぶしの美しさを堪能しながら、心地よい春の日差しを楽しむひとときは、何よりも贅沢な時間ですよね。ぜひ白木蓮とこぶしの花を見つけ、それぞれの違いを楽しんでみてくださいね。

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