しきみを庭に植えてはいけない理由4選!意外と知らない毒性と縁起の真実

しきみという植物は、仏事に使用されることでよく知られていますが、実際には庭に植えてはいけないと言われる植物でもあります。しきみは日本の伝統文化に深く根ざしているため、縁起や毒性についてさまざまな噂が飛び交っていますが、本当なのでしょうか。

この記事では、しきみを庭に植えてはいけない理由について、毒性や縁起の観点から詳しく解説します。

 

しきみってどんな植物?

しきみ(樒、梻)は常緑の低木で、仏前に供えられることが多く、特に仏教の儀式でよく見られます。この植物は日本特有のもので、古来より墓前や仏壇に供えられる習慣があります

しきみは強い毒性を持つ植物であり、誤食などによる中毒事故が懸念されています。さらに、しきみは「縁起が悪い」という噂もあり、これらの理由から、しきみを庭に植えることは避けられることが多いのです。

 

毒性の危険性から庭に植えてはいけない

しきみを庭に植えるべきでない最大の理由は、その強い毒性です。しきみは「毒物及び劇物取締法」に基づき、劇物に指定されています。特にしきみの実は、中華料理で使用される八角(スターアニス)に非常によく似ており、誤って食べてしまう危険性があります

しきみの全ての部分には毒が含まれており、実は特に危険です。誤食すれば、激しい嘔吐や腹痛、さらには命に関わる中毒症状を引き起こすことがあります。特に、小さな子どもやペットがいる家庭では、庭にしきみを植えるのは非常にリスクが高い行為です。庭にしきみを植える場合、子どもやペットが誤って口にしないように、十分な管理が必要です。

 

縁起:仏事と深い結びつき

しきみが庭に植えられないもう一つの理由は、その縁起の悪さに関する伝承です。しきみは仏前や墓前に供えられる植物であるため、葬儀や墓所と密接に関わっていることから、一般家庭の庭に植えることは避けられがちです。しきみが植えられるのは、主に仏教の儀式や葬儀の場であり、日常生活の場である庭にはふさわしくないとされています。

昔の日本では、土葬した遺体が動物によって掘り返されないようにするために、しきみが植えられたという話もあります。このような背景から、しきみが「死」と結びつけられ、縁起が悪い植物として認識されるようになったのです。しかし一方で、しきみには悪しきを払う浄化の効果があるとも信じられており、その独特な香りが邪気を払う力があるともされています。

 

名前に込められた「悪しき実」の意味

しきみの名前には、その毒性と縁起の悪さが反映されています。しきみはもともと「悪しき実」として知られており、「悪しき実」が省略されて「しきみ」という名前になったと言われています。この名前自体が、しきみの毒性や不吉な印象を強める一因となっています。

「悪しき実」という名前が付けられた理由は、その強力な毒性に由来します。しきみは長い歴史の中で、人々にとって危険な植物として扱われ、同時に仏事に関連づけられることで、「縁起が悪い」と考えられるようになりました。

 

しきみの漢字表記

しきみは漢字で「樒」または「梻」と書きます。特に「梻」という漢字は「木へん」に「仏」という字が含まれており、この表記が神道を信仰する人々にとっては縁起が悪いとされることがあります。そのため、神道の信仰を持つ家庭では、庭にしきみを植えることを避けるべきだと考えられているのです。

しかし、実際にはしきみが神事にも使われることがあります。たとえば、京都の愛宕神社では、しきみを神木として扱い、神事に使用しています。このように、しきみは仏教だけでなく、神道の儀式にも登場することがあるため、宗教的な理由でしきみを庭に植えることが避けられているわけではない場合もあります。

 

しきみを庭に植える場合の注意点

どうしてもしきみを庭に植えたい場合は、いくつかの点に注意する必要があります。

しきみの毒性に十分に配慮することが重要です。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、誤食や接触による事故を防ぐために、しきみを植える場所や管理方法を工夫することが求められます。

しきみは半日陰の湿った場所を好むため、直射日光が当たらない場所に植えるのが適しています。また、植える際には実が落ちた場合に拾って食べられる危険性を避けるため、周囲の環境にも配慮しましょう。特に秋には実がなりやすく、誤って食べられないように注意が必要です。

 

まとめ

しきみを庭に植えることが避けられる理由は、主にその強い毒性と、仏事に関連する縁起の問題にあります。特に子どもやペットがいる家庭では、しきみを庭に植えることは推奨されません。ただし、適切な管理を行えば、しきみを庭に植えること自体は不可能ではありません。

しきみを植える際には、毒性に十分な注意を払い、またその宗教的背景や縁起に配慮することが重要です。しきみの歴史や役割を理解した上で、安全に楽しむことができるように心がけましょうね。

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